Claude 学習
コースガイド

Claude Code 101 — 日本語学習ガイド

Anthropic Academy「Claude Code 101」コース(全12レッスン、入門レベル)の日本語学習ガイド。英語原文ノート(source-notes.en.md)を忠実に翻訳し、試験勉強・復習に使える教材として再構成したもの。Claude Code を初めて使う人が、インストールから日々のワークフロー(Explore → Plan → Code → Commit)、コンテキスト管理、CLAUDE.md、subagent、MCP、hook まで一通り理解できるように構成している。

技術用語(agentic loop, context window, CLAUDE.md, Explore→Plan→Code→Commit, /compact, /clear, /context, subagent, MCP, hook など)はそのまま英語表記を使う。


1. Claude Codeとは何か(What is Claude Code?)

Claude Code は、あなたのコードベースを理解し、ファイルを編集し、コマンドを実行し、既存の開発ツールと連携することで、開発作業をより速くこなせるようにする agentic coding tool(エージェント型のコーディングツール)である。ターミナル、Visual Studio Code、Claude Desktop アプリ、Web、JetBrains IDE のいずれからでも利用できる。

Claude.ai との違い

Claude Code と Claude.ai の最大の違いは、Claude Code があなたのファイル・ターミナル・コードベース全体に直接アクセスできることである。Claude.ai のようにコードをコピー&ペーストで行き来させる必要はなく、Claude Code はコードベースの中に入って自ら作業を行う。この違いを生んでいる本質的な特徴が、Claude Code が AI Agent(AIエージェント) として動作するという点である。

AI Agentとは何か

AI Agent とは、環境と対話し、定義されたゴールを達成するために行動を実行できるソフトウェアのことである。その中核は、大規模言語モデル(LLM)がリアルタイムでループ状に動作することによって成り立っている。AI Agent はゴールに到達するために、ツール・外部サービス・さらには他の AI Agent へのアクセスを持つこともある。

Claude Codeが実際にできること

効果的に使うための3つの概念

Claude Code を使いこなすうえで押さえておくべき概念は次の3つである。

  1. context window(コンテキストウィンドウ) — Claude の作業記憶にあたるもの。多くの情報を保持できるが、すべてを一度に保持できるわけではない。「エージェント的」であるということは、コードベース全体をコンテキストに読み込まなくても、Claude が戦略的な方法で必要な答えを見つけ出すという側面を指す。
  2. 許可を求める(It asks for permission) — デフォルトでは、Claude Code はコマンドを実行したりファイルを変更したりする前に必ず確認を求める。主導権は常にあなたにある。
  3. 間違えることもある(It can make mistakes) — 意図を誤解したり、バグを混入させたり、過剰に作り込んでしまうことがある。作業のループに関与し続けることで、こうした問題を早期に発見できる。

まとめ

Claude Code はエージェント型のコーディングツールである。コードベースを読み、ファイルを編集し、コマンドを実行し、外部ツールと連携することで、より速く成果を出す手助けをする。今日から、ターミナル・VS Code・JetBrains・Claude Desktop アプリのいずれでも利用可能である。


2. Claude Codeの仕組み(How Claude Code works)

Claude Code は一般的なチャットアプリケーションとは根本的に異なる。裏側の仕組みを理解しておくことで、より効果的に使えるようになる。

The Agentic Loop(エージェントのループ)

Claude Code の動作は次の5ステップのループとして説明できる。

  1. あなたが Claude Code にプロンプトを入力する。
  2. Claude はモデルと対話しながら必要なコンテキストを収集する。モデルはテキスト、あるいは Claude Code が実行できる tool call(ツール呼び出し)を返す。
  3. Claude が行動を起こす — 例えばファイルを編集したり、コマンドを実行したりする。
  4. Claude は結果を検証し、それがプロンプトで意図したことを達成できているかを判断する。
  5. 達成できていれば Claude は作業を終え、次のプロンプトを待つ。達成できていなければ、結果が完全で検証可能になるまでループに戻って再試行する。

このループの間、あなたはいつでもコンテキストを追加したり、作業を中断したり、モデルをゴールへ向けて軌道修正したりできる。

コンテキスト(Context)

Claude には context window があり、会話の内容・ファイルの中身・コマンドの実行結果などをどれだけ記憶・参照できるかを規定している。この上限に近づくと、Claude Code は自動的に会話を compact(圧縮) する。何を削除・要約すれば context window を使える大きさに戻せるかを、Claude Code が自動的に判断する処理である。

ツール(Tools)

Tools(ツール)はエージェントが動作する仕組みの根幹である。多くの AI アシスタントはテキストを入力として受け取り、テキストを返すだけである。しかしツールがあることで、Claude Code はタスク達成に近づくために実際にコードを実行するタイミングを自ら判断できるようになる(ファイル読み取りツール、Web検索ツールなど)。Claude Code は意味的な理解(semantic understanding)を用いて、いつツールを呼び出すべきか、そしてその出力をどう使うべきかを判断している。

権限(Permissions)

権限にはいくつかのモードがある。

モード 挙動
デフォルトの挙動 ファイルを編集したりシェルコマンドを実行したりする前に、Claude が明示的に許可を求める
Auto-accept(自動承認) ファイルの編集は確認なしで行われるが、コマンドの実行は引き続き承認が必要
Plan mode(プランモード) 作業を始める前に、read-only(読み取り専用)のツールだけを使って行動計画をまとめる

これらはすべて設定ファイルで構成可能である。ただし、権限確認をスキップすることには注意が必要である。コマンド実行の自由度を上げるということは、間違いが発生したときに気づきにくくなるということでもある。

まとめ

Claude Code は、agentic loop・管理されたコンテキストウィンドウ・ツール・設定可能な権限を組み合わせ、それらすべてをあなたのターミナルの中で実現している。コードベースを読み、行動を起こし、自分の作業を検証する——これが、チャットウィンドウとは根本的に異なる点である。


3. Claude Codeのインストール(Installing Claude Code)

Claude Code は、ターミナル・Web・IDE のどこで使いたいかにかかわらず、簡単にインストールできる。

ターミナル

Visual Studio Code

拡張機能パネルを開き「Claude Code」を検索する。青い認証チェックマークがついた Anthropic 公式拡張機能を「Install」する。必要であれば VS Code を再起動する。コマンドパレット(Ctrl/Cmd + Shift + P)から「Claude Code Open in New Tab」を選ぶか、サイドバーの Claude ロゴをクリックする。ターミナルとほぼ同じ体験だが、設定から UI 表示をオフにしてターミナル体験に切り替えることもできる。

JetBrains

JetBrains Marketplace から Claude Code プラグインをインストールし、IDE を再起動する。Claude ロゴをクリックすると、エディタの隣にターミナル体験のペインが開く。

Desktop

Claude Desktop をインストールしてサインインすると、上部に「Code」というトグルが表示される。チャット側と似た見た目だが、特定のフォルダで作業したり、権限を変更したり、クラウド環境上で作業したりすることもできる。

Web

claude.ai/code にアクセスするか、チャットアプリのサイドバーで「Code」をクリックする。Desktop と似ているが、GitHub リポジトリのプロジェクトに限定される。

どれを使うべきか

環境 向いている理由
ターミナル 最先端であり続けたい場合に最適。新機能はまずターミナルに実装される
IDE 統合(VS Code / JetBrains) エディタと一体化した体験を好む場合、ターミナルとほぼ同等の体験を提供
Desktop Claude をバックグラウンドで走らせておきたい場合に最適
Web GitHub リポジトリのプロジェクトに、リモートから作業する場合に有効

4. 最初のプロンプト(Your first prompt)

Claude Code とは、他の AI アシスタントと同じように話しかければよい。ただし、自分を守り、作業をやりやすくするために意識すべき点がいくつかある。

Auto-Accept と Manual(自動承認とマニュアルモード)

Claude がすべてのファイル変更を自動承認するか、毎回許可を求めるかを選べる。Shift + Tab を押すことでモードを切り替えられる。

どちらが正しい・間違っているというものではなく、自分が快適に感じる方を選べばよい。

Plan Mode(プランモード)

Shift + Tab のメニューから切り替えられる Plan Mode は、プロンプトを受け取ると read-only(読み取り専用)のツールを使ってコードベースを分析し、提案された実装内容を調査する。必要であれば確認のための質問をし、その後、実行可能な詳細な計画を返す。複雑な変更の計画づくりや、安全なコードレビューを行いたいときに特に有用であり、複数ステップにわたる機能実装で真価を発揮する。

実例: ダークモードトグルの追加

プロジェクトのルートディレクトリを開いて claude を実行する。Shift + Tab を数回押して Plan Mode に入り、具体的なプロンプトを書く(例:「アプリ全体にダークモードを実装したい。ヘッダーにトグルスイッチを作り、既存のライトテーマに基づいて良いコントラストの色を見つけてほしい」)。Claude に計画を立てさせ、その内容を確認する。良さそうであれば承認し、各ステップで Claude に承認を求めさせながら進める。最後には、Claude が実際に何を行い、どのようにその結論に至ったのかを正確に確認できる。

まとめ

プロンプトはできる限り具体的に書くこと。すべてのステップで関与し続けたいのであれば、それも可能である。複雑なコードを実行する前に Claude に詳細を検討させたいときは Plan Mode を使う。


5. Explore → Plan → Code → Commit ワークフロー

このコースから一つだけ持ち帰るとすれば、この Explore → Plan → Code → Commit ワークフローにするべきだろう。このワークフローを使わないと、多くの人は Claude にいきなりコードを書かせようとしてしまい、結果として後からの軌道修正が増えることになる。

Explore(探索)と Plan(計画)

最も速い方法は Plan Mode を使うことである。Plan mode では Claude はファイルを編集できない — 実装にどう取り組むかの情報を集めるために、ファイルを読むだけである。Shift + Tab を押して「Plan Mode」と表示されるまで切り替え、プロンプトを書く(例:「画像アップロードパイプラインに WebP 変換を追加したい。パイプラインのどこで行うべきか、新しい依存関係が必要か、どう進めるべきかを整理してほしい」)。Claude は関連ファイルを読み、Web検索を行い、計画を提示する。内容を確認し、必要であれば特定の部分を修正するよう依頼する。コードがまだ一切書かれていない段階なので、ここが最も軌道修正しやすい場所である。Plan mode に入らなくても、コードベース全体の要約が欲しいだけであれば explore subagent を単独で実行することもできる。

Code(コーディング)

計画が良さそうであれば「approve」を選び、Claude に項目を1つずつ進めさせる。ファイル編集を自動承認するか、毎回確認を求めるかも選べる。Claude は計画を「完了」とみなす前にトラブルシューティングを行うが、それでも時には介入が必要になる。以下は役立つコツである。

Commit(コミット)

自分でテストして満足したら、コードをプッシュする。コミットする前に、subagent のコードレビュアーを実行するとよい — セッションを通じて作業してきたメインエージェントが持つバイアスを持たない、新しい視点である。その後、あなたのスタイルに合わせたコミットメッセージを Claude に生成させる。これを繰り返していく。

まとめ

Explore は Claude に関連するコンテキストを与え、Plan は成功を測るための行動計画を作り、Code は最終的な成果に落ち着くまでのやり取りであり、Commit はレビューとプッシュを助けて次の機能に取りかかれるようにする。


6. コンテキスト管理(Context management)

Context(コンテキスト)は Claude の作業記憶である。Claude が読むすべてのファイル、実行するすべてのコマンド、あなたが送るすべてのメッセージが context window の中に領域を占める。

Context Windowとは何か

Claude が記憶として保持できる領域の大きさのことである。プロンプト・ファイルの読み取り・tool call・tool call の結果、そのすべてがここに加算されていく。領域は有限であるため、使い方を最適化することが重要になる。

コンテキストが満杯になるとどうなるか

上限に近づくと、context window は自動的に compact(圧縮) される。Compaction(圧縮処理)は重要な詳細を要約し、不要な tool call の結果を取り除いて領域を空ける。このプロセスによって細部の情報が失われる可能性がある。

コマンド

コマンド 役割
/compact それまでの内容をすべて手動で圧縮する。これまで取り組んできた内容の記憶を保ちながら領域を空けたいときに便利
/clear 前のセッションの記憶を一切持たない、まっさらな状態から始める。すべてを消去する
/context 現在のコンテキストの状態を確認する。サイズの概要、最も領域を占めているカテゴリ、視覚的な内訳を表示する

どちらを使うべきか

コンテキストの領域を節約するコツ

まとめ

長いセッションを要約するには /compact を、まっさらな状態から始めるには /clear を使う。具体的に指示し、何がコンテキストを消費しているかを確認し、結果だけが必要なタスクは subagent に委任する。


7. コードレビュー(Code review)

Claude Code には、git ワークフローを速くする組み込み機能がある。

Subagentによるレビュー

PR をプッシュする前に、変更内容を subagent にレビューさせるよう Claude に依頼する。subagent は独自の context window の中で動作するため、フレッシュな視点を持つ — コードを書くのに直前までセッションを費やしていたメインエージェントが持つバイアスがない。code-reviewer subagent を作成する際は、read-only(読み取り専用)のツールに限定するべきである(レビュアーは問題を指摘する役割であり、ファイルを編集する役割ではない)。subagent の設定はリポジトリにチェックインしておき、チーム全員が同じレビュアーを使えるようにするとよい。

/commit-push-pr スキル

commit・push・PR作成を1ステップでまとめて処理する。

--from-pr によるセッションの紐づけ

Claude が gh pr create を通じて PR を作成すると、そのセッションは自動的にその PR に紐づけられる。後で作業に戻りたいとき(レビューコメントへの対応、失敗したビルドの修正など)は、claude --from-pr <PR_NUMBER> を実行すれば、続きから再開できる。

まとめ

プッシュ前には subagent を使ってバイアスのないコードレビューを行う。commit から PR 作成までの一連の流れは /commit-push-pr で行う。PR に関する作業を後で再開するには --from-pr を使う。


8. CLAUDE.mdファイル(The CLAUDE.md file)

Claude Code の最も有用な機能の一つが、プロジェクトについての永続的な記憶を Claude Code に与える CLAUDE.md である。

解決する課題

CLAUDE.md がなければ、Claude は毎回ゼロからのスタートになる — コードベースを再探索し、依存関係を洗い出し、何が実装済みかを理解しようとし、時には誤った前提を置いてしまうこともある。CLAUDE.md はプロジェクトのルートに置かれる Markdown ファイルであり、Claude Code が毎セッション自動的に読み込む。コードベースへの「オンボーディング用スクリプト」のようなものと考えるとよい。その内容はプロンプトに自動的に追記される。

セクションの例

これらを書いておけば、Claude は最初から Tailwind を使い、あなたの規約に従うべきだと分かった状態で作業を始められる。

チームでの活用と記憶ファイルの階層

CLAUDE.md はチームのためのものである — バージョン管理にコミットしておけば、チーム全体がその恩恵を受けられる。記憶ファイルには階層がある。

Auto Memoryとの違い

CLAUDE.md はあなたが手で書く「プロジェクトについての永続的な記憶」だが、Claude Code にはこれとは別に、公式機能として Auto Memory もある。Claude が会話の中で学習した内容を自動的に MEMORY.md へ書き留め、毎セッション読み込む仕組みで(2026-02-26 の v2.1.59 で搭載、デフォルト有効)、名称・実装ともに CLAUDE.md とは異なる、もう一つの永続記憶機構である。CLAUDE.md =あなたが書く記憶、Auto Memory = Claude 自身が書く記憶、という違いを押さえておくとよい。

コツ

まとめ

フラストレーションの多いセッションと生産的なセッションの違いは、多くの場合コンテキストの有無に帰着する — CLAUDE.md はそのコンテキストを提供する手段である。まずはあなたのスタック、好み、コマンドから書き始め、そこから育てていくとよい。


9. Subagents(サブエージェント)

Claude はタスクを subagent(サブエージェント)に委任し、タスクを分解して構成要素ごとに並行して処理させることができる。これによりコンテキスト管理が改善される。各 subagent は自分専用の隔離された context window の中で動作する。

仕組み

context window の多くは、コードベースを探索したり Web 検索を行ったりする tool call によって消費される — Claude が発見した内容のすべてが、必ずしもメインの機能に関連しているとは限らない。Claude は「このコードベースを探索してほしい」といったタスクを扱うために subagent を生み出す。subagent は自分専用の context window を持って並行して動作し、探索を行い、その所見を要約して要約だけを返す。これにより、探索の全過程でメインのコンテキストを散らかすことなく、答えだけを得られる。

自分のsubagentを作る

subagent は YAML の frontmatter を持つ Markdown ファイルで定義される。最も簡単な方法は、Claude に生成させることである。かつては /agents を実行して「Create new agent」を選ぶ対話式ウィザードで作成できたが、現在のバージョンでは /agents はその対話式ウィザードごと廃止されており、実行すると「Claude に依頼するか .claude/agents/ を直接編集してください」というリマインダーメッセージが表示されるだけになっている。作成は「こういう subagent を作って」と Claude に直接依頼するか、.claude/agents/ 配下にファイルを直接作成・編集する形で行う。Claude に依頼すれば、スコープの選択、目的の定義、アクセスできるツールの選定、色の選択といった内容を踏まえて、subagent のための名前・description(説明)・プロンプトを生成してくれる(description は、あなたのプロンプトに応じていつその subagent を呼び出すべきかを Claude に伝える役割も担う)。

さらなるカスタマイズ

まとめ

context window をきれいに保つことは、生産性を維持するための最良の方法の一つである。subagent を使えば、重い作業をバックグラウンドで行うエージェントを走らせ、答えだけを受け取ることができる。さらに深く学びたい場合は、専用コース「Introduction to subagents」が用意されている。


10. Skills(スキル)

このレッスンの原文は主に動画(「What are skills?」、/skills コマンドを紹介する内容)で構成されており、本文記事は「さらに深く学びたい場合は、専用コース Introduction to Agent Skills を確認してほしい」というポインタのみとなっている。以下は、その専用コースと整合する形での、入門レベルの要約である。

Skills(スキル)とは、Claude Code が発見して利用できる、指示とリソースをまとめたフォルダのことであり、タスクをより正確にこなす助けとなる。各スキルは SKILL.md ファイルとして存在し、その frontmatter に namedescription を持つ。Claude はこの description を(意味的なマッチングによって)使い、いつそのスキルを適用すべきかを判断する。

スキルはオンデマンドで読み込まれる — 起動時には name と description だけが読み込まれるため、context window を圧迫しない。これは、毎回の会話に読み込まれる CLAUDE.md や、明示的な呼び出しが必要なスラッシュコマンドとは異なる点である。

個人用のスキルは HOME ディレクトリの ~/.claude/skills に置かれ、プロジェクトをまたいであなたに付いてくる。プロジェクト用のスキルはリポジトリ内の .claude/skills に置かれ、そのリポジトリをクローンした誰とでも共有される。/skills のワークフローによって、スキルを発見しやすくなっている。

経験則としては、Claude に対して同じことを何度も説明していると気づいたら、それはまさにスキルとして書き起こすべきタイミングだということである。さらに深く学びたい場合の専用コースは「Introduction to Agent Skills」である。


11. MCP(Model Context Protocol)

Model Context Protocol(MCP) は、Claude Code を外部のツールやデータソースに接続できるようにするオープンな標準規格である。質問をすると、Claude はいつそれらのツールを使うべきかを自動的に理解する。あなたのコンテキストの多くは、データベース・生産性アプリ・公開リポジトリなど、コードベースの外側に存在している。MCP はそのギャップを埋める。

MCPでできること

まず agentic AI における「ツール」という概念を理解しておく必要がある。ツールはエージェント(Claude Code など)に行動を実行する能力を与える(テキストの応答しか得られない一般的な AI とは異なる点である)。例えば、Linear の MCP サーバはあなたの特定の issue の詳細を取り込んでくれるし、Context7 のようなドキュメント用 MCP サーバは、依存関係の最新のドキュメントを提供してくれる。

MCPサーバの追加

claude mcp add を使う。MCP サーバの接続方式(トランスポート)には主に2つの種類がある。

このほかに SSE(非推奨だが現在も利用可能)や WebSocket にも対応しているが、実務でよく使うのはこの2つである。

サーバの管理は、Claude Code のセッション内で /mcp を使って行う(何が接続されているかを確認し、状態をチェックし、不要なサーバを無効化できる)。

サーバのスコープ

サーバのスコープには3種類ある。

スコープ 範囲
Local(ローカル) 現在のプロジェクトでのみ利用可能。あなただけのもの
User(ユーザー) あなたのすべてのプロジェクトで利用可能
Project(プロジェクト) バージョン管理にチェックインされた .mcp.json ファイルを使う。コードベースに関わる全員が自動的に同じサーバを利用できる

コンテキストのコスト

以前の Claude Code では、MCP サーバは実際に使っていないときでもツールの定義を context window に追加していた。現在は Tool Search(ツール検索)機能がデフォルトで有効になっており、MCP のツールは基本的に事前読み込みされず、Claude が実際に使うツールだけがコンテキストに入る仕組みに変わっている。とはいえサーバの数が多いと接続や管理が煩雑になるため、/mcp を実行して何が接続されているかを確認し、使っていないものは無効化しておくとよい。ツールに CLI の同等品がある場合(GitHub 用の gh や AWS 用の aws など)、CLI のほうが永続的なツール定義を追加しないため、コンテキスト効率が良い。代わりに Skill を使うという選択肢もある(name と description だけがコンテキストに読み込まれ、フルのスキルは必要なときにだけ読み込まれる)。なお ENABLE_TOOL_SEARCH=auto を明示的に設定した場合は、ツール定義が context window の 10% を超えるかどうかを基準に、事前読み込みとオンデマンド発見を切り替えるより細かい制御も可能である。

まとめ

MCP は Claude Code を外部のツールやデータソースに接続する。サーバの追加は claude mcp add で行う。プロジェクトにスコープするには .mcp.json を使い、チームが自動的にそれらを利用できるようにする。使っていないサーバを無効化して、コンテキストの使用量に気を配ること。


12. Hooks(フック)

Hooks(フック)を使うと、Claude Code のライフサイクルの特定のタイミングでコマンドを実行できる。このコースで扱ってきた他のあらゆる機能と hook との最大の違いは、hook は決定的(deterministic)である — つまり必ず実行される、という点である。

なぜHookを使うのか

CLAUDE.md に「ファイルを編集するたびに Prettier を実行して」と書いておくこともできる — たいていはその通りに実行されるが、時には実行されないこともある。hook を使えば、例外なく毎回必ず実行されるようになる。よくあるユースケースとしては、ファイル編集後の自動フォーマット、コンプライアンスのための実行コマンドすべてのログ記録、本番用ファイルの変更のような危険な操作のブロック、Claude がタスクを完了したときの自分への通知の送信などが挙げられる。

仕組み

hook は settings.json の中で設定する。イベントを選び、必要であればどのツールに適用するかの matcher(マッチャー)を設定し、実行するコマンドを指定する。現在の Claude Code には SessionStart や PreCompact なども含め30種類を超えるイベントが用意されているが、ここではよく使われる代表的な5つを紹介する。

イベント タイミング
PreToolUse tool call の実行前
PostToolUse tool call の実行完了後
UserPromptSubmit プロンプトを送信したとき(Claude が処理する前)
Stop Claude が応答を終えたとき
Notification Claude が通知を送信したとき

/hooks を実行すると、現在設定されている hook の一覧を確認できる。ただしこのメニューは読み取り専用であり、hook の追加・変更は settings.json を直接編集するか、Claude に依頼して行う。

実践例: 編集後の自動フォーマット

PostToolUse hook を、matcher に "Edit|Write" を設定して仕込む(かつては MultiEdit という独立したツールもあったが、現在は Edit ツールに統合されている)。これにより、Claude がファイルを変更するたびに発火する。コマンド側でファイルの拡張子を確認し、適切なフォーマッタを実行する(TypeScript なら Prettier、Go なら gofmt など)。

PreToolUseによるブロック

PreToolUse hook は、tool call が実行される前にそれをブロックできる。hook はツール名と入力を JSON として標準入力(stdin)で受け取る。振る舞いは終了コード(exit code)によって決まる。

終了コード 挙動
0 通常通り処理を続行する
2 アクションをブロックする。stderr のメッセージが Claude にフィードバックとして渡され、なぜブロックされたかを理解して調整できるようになる
それ以外のコード ブロックはしないエラーとしてあなたに表示されるが、何かを止めるわけではない

これが、厳格なルールを強制する方法である — 例えば本番用の設定ディレクトリへの書き込みをブロックする、rm -rf を含む bash コマンドをブロックする、main ブランチへのコミットをブロックする、といった用途に使える。

チームとHookを共有する

.claude/settings.json に設定された hook はプロジェクトレベルのものであり、リポジトリにチェックインできる。これにより、チーム全員が自動的に同じ hook を利用できるようになる。コマンドの中では環境変数 CLAUDE_PROJECT_DIR を使うことで、プロジェクト内に保存されたスクリプトを参照でき、Claude の現在の作業ディレクトリがどこであっても正しく動作するようになる。

まとめ

Hooks は Claude Code の振る舞いに対して決定的な制御を与えてくれる。PostToolUse は自動フォーマットやログ記録に、PreToolUse は危険な操作のブロックに使う。設定は settings.json を直接編集するか、Claude に依頼して行う(/hooks は設定内容を確認する読み取り専用メニュー)。リポジトリにチェックインしておけば、チームも同じ hook を利用できる。何かが必ず毎回実行される必要があるなら、それをプロンプトに書くのではなく、hook にすること。

Claude 学習サイト — 完全ローカル静的サイト(build.py で生成)。進捗はこのブラウザの localStorage に保存されます。